漫画ダイレクトマーケティング

私の好きな漫画を宣伝紹介する! 

エッセイ漫画「腐女子クソ恋愛本」に共感しすぎてやばい

恋愛には大して興味ねぇ! 好きなように生きさせろ!

というわけで、今回は漫画「腐女子クソ恋愛本」について語ります。個人的に共感できすぎる……

腐女子の方々の恋愛より同人・オタ活動を優先したエピソードが詰まった素敵なコミックエッセイ。彼氏がいてもクリスマスは原稿を書いてる、恋人との電話は10分で疲れるが腐女子仲間とは5時間でも話せるなどなど……

彼氏から別れ話を切り出されながら見ていたアニメで新たな推しキャラに出会うといった、事実は小説より奇なりと言いますか、とんでもなく面白い話多数。

みなさん非常に楽しそうでいい! テンポ良い展開でギャグ漫画としても読みやすい。自分の時間を、自分の好きなように使いたい人間の生活ってこうなる~。そして周りと合わなくなっていくという……ほんま分かります。

 

恋愛・結婚って、そんなに重要か……? 自由に生きさせてくれ!

一応は恋愛してみたけど、やっぱり同人活動の方が楽しかった的な話が満載。ちゃんと恋人を作った上で同人活動を選んだのが説得力ありますね。食べられなかったブドウを「どうせ酸っぱいんだろう!」と逆恨みしたわけじゃなく、実際に食べてみても「どうも好みじゃないな……」と思ったわけで。

私は腐女子じゃありませんし、そもそも男、同人活動もしてません。しかし、作者である「おののぶし」および登場人物の方々には共感しすぎてやばい。

なんというか恋愛に対する考え方が私と同じ。恋愛・結婚って、そんなに必要か……? 恋人がいないだけで人格を全否定されなきゃダメなのか? って話ですよ。

私も恋人はいないけど幸せに暮らしてますしねぇ。

それを端的に表現した文章があったので2-3から引用させていただくと

「本来恋愛で得るべき心の充足感を、全てオタク活動で得てしまってるんだな~」

そう! 恋愛はしてないけど満足してるし幸せ! 別のものを楽しみまくってるんですよ!

なんというか恋愛主義の人々は、恋愛しないと幸せになれない、みたいに思ってる気がしますがそうでもない。その人たちが恋愛で幸せになるのと同じぐらい、趣味で幸せになれる人だっているわけで。

「趣味で満足してると言うけど、ほんとは恋人欲しいんだろ?」的な意見もあるけど

「ピザで満足してると言うけど、ほんとはカツカレー食べたいんだろ?」みたいに聞こえるんですよねぇ。「いや、ピザ食べたいからピザ食べてるんだけど……」って話で。

あとは1人でも楽しく時間を過ごせる、これも超分かりすぎる。ほんと、こういうタイプ人間がいることを認めていただきたい。恋人といるのもそりゃ楽しいのは楽しいけど、1人で本を読んだりゲームしてる方がもっと楽しい。

こちらからすると、1人でいると退屈……、という人が理解できない。人間分かり合えないもんですね(笑)

私のようなタイプからすると多くの人に読まれて欲しい漫画。似たような感性なら爆笑&共感、そうでない人にも新しい発見があるんじゃないかと!

「web漫画アンテナ」が便利で最強すぎる! ~pingaよりすごい~

対応数が多すぎる! 登録不要!

というわけで、今回はweb漫画の更新をチェックできるサービス「web漫画アンテナ」を紹介させていただきます。すでに知ってる人も多いかもしれませんが……便利すぎてやばい。

http://webcomics.jp/

似たサービスとしては株式会社ナターシャなどが合同でやってる「pinga」ってのもあるんですけど、それよりすごい。

いや、pingaも特集を組んでたり新しく連載始まった作品を紹介してたり、悪くは無いんですけどね。でもweb漫画アンテナは超シンプルかつ便利すぎる。

 

「web漫画アンテナ」が最強すぎる!

こんな感じで、作品の更新がチェックできます。

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出典:web漫画アンテナ



ネット上に点在しまくりなweb漫画サイトの更新を、ここで一気に確認できて超便利! ほんまweb漫画サイトがたくさんありすぎて手動巡回だと面倒だし見落としまくり。

更新をチェックできるのはpingaも同じだけど

まず、登録しなくていい。pingaは独自アカウントは不要、しかしtwitterなどのSNSアカウントでのログインが必要。

比べて、web漫画アンテナは一切登録&ログイン不要で300個までマイリストに入れて更新をチェックできる。やばくないですか? 便利すぎでしょ……300個もあれば足りないってことはまずないだろうし。

次に、ニコニコ静画とか新都社などのユーザー投稿型サービスにも対応してる。ここが最高! pingaはインディーズ系に非対応。インディーズにも面白い作品は大量にあるし、個人の作品こそ数が多くて投稿頻度が不安定なんで確認が重要なんで。

対応してるサイトもめちゃくちゃ多くて、ちゃんと数えてないけど100は超えてるんじゃないかと。有名どころはもちろん知名度が低めのところまで。やばいでしょ、カバーしてる範囲が広すぎる……

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出典:web漫画アンテナ

↑これでも対応サイトの一部しか見えてない。

web漫画アンテナは、どうも個人運営のサービスっぽいのに。管理人さん有能すぎ。

これってどうやってるのか。私も似たような更新チェッカーを作ろうとしたんですよ。しかし無理でした。ネット上の更新チェックにはRSSというシステムが有名、でもweb漫画サイトはRSSに対応してないとこ多いんですよねぇ。私には更新情報を修得できませんでした……

だからweb漫画アンテナはRSSじゃ無い方法で更新情報をチェックしてるとは思うんだけど、その方法が謎。

管理人さんの技術力すごい。そして、ここまで幅広い漫画サイトを見つけ出して対応したweb漫画への熱意と行動力がすごい。

シンプルで使いやすく超便利なサービスなんで、今まで知らなかった人はぜひぜひ利用してみてください。web漫画生活が一気に向上します。

 

私のおすすめweb漫画もほぼすべてweb漫画アンテナでチェックできますよ~。

ibeo.hatenablog.com

web漫画「化け物と少女」について語ります! ~一般人には思い付けないギャグセンス~

1話目から面白すぎる! 予想外の流れ! セリフが無いからこその面白さ!

というわけで、今回はweb漫画「化け物と少女」について語ります。

ニコニコ漫画の作品なので、アカウント持ってない人は読めないのが残念……

http://seiga.nicovideo.jp/comic/32096?track=list

一応、pixivにも投稿されてる様子? でも、pixivもアカウント無いと読めませんね……

https://www.pixiv.net/member_illust.php?id=611135&type=manga

道端に座り込んでいた大きな化物と、小さな女の子が織りなすセリフなし系のギャグマンガ1話目から衝撃的に面白い。面白すぎる! ここまで爆笑したのは久しぶりです。作者「とみた」さまのセンスと発想力がすごすぎますね。

ニコニコ漫画でも、かなりの高評価。話数に対しての閲覧数・コメント数が多い!

 

天才のギャグ

ギャグ漫画かつセリフがないので非常に説明しずらい作品。とりあえず作品を読んでください。読めば分かるし、読まないと分かりません。

それでも一応語ってみると、このギャグセンスは天才ですよ。

私の持論として、ギャグ作家には2種類あります。秀才型と、天才型。

秀才型のギャグは一般人でも時間をかければ思いつく内容。一般人が1時間アイディアを練れば思いつけそうな内容を、1分で閃ける。それが秀才型。笑いのネタとしては割と常識の範囲内で、一般人でも少しぐらいは真似できそうな感じ。

作品の例を出すなら、「あずまんが大王」とか「こち亀」とか?

これに対して天才型のギャグは、そもそもの発想が違いすぎる。方向性が違いすぎて時間をどれだけかけても考え付かない。

「!?!?」「その発想は無かった!」「この作者の脳内はどうなってるんだ……?」こんな風に思ったことあるのでは。

図にすると、こんなイメージ

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ギャグの種類

そもそもの出発点もゴールも違う。

誤解のないように書いておくと、私は秀才型のギャグを「つまらない」「良くない」と言いたいわけじゃありません。秀才型のほうが正統派で王道だし。良し悪しではなく、2種類あると思ってるだけ。犬と猫みたいなもの。

話が長くなりましたが、この「化物と少女」は天才型のギャグでしょう。少なくとも私は100年考えても、このアイディアにはたどり着けない自信があります(笑)

特に1話と5話のキレはやばい。面白すぎる……やばい。

セリフがないのも良い。やっぱりギャグというと言葉に頼りがちになりますからね。記号とキャラの身振り手振りだけで表現されいるのが、ますます面白くてかわいい。

あとは5話になって作者さまの画力が上がってるのも笑ってしまう。化物くんの質感がパワーアップしてる(笑)

いやー、めっちゃ好きな作品です。化け物のデザインも秀逸、何とも言えない愛嬌。人間キャラの表情もダイナミックで楽しい。

web漫画サイト「新都社」を宣伝紹介したい! 

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出典:新都社

ここでしか読めない作品! 独特な雰囲気?

というわけで、今回はユーザー投稿型のweb漫画サイト「新都社」を宣伝紹介します。

http://neetsha.jp/inside/ranking.php

けっこう面白い作品があるのに、どうにも知名度が低い気がするんですよね~。ぜひ訪ねてみてほしい! まぁ、私も半年ぐらい前にようやく存在を知ったんですが……

運営者が公表してるアクセス数を見ると、どうにも右肩下がりの様子。しかし、廃墟webサイトにしてしまうのは惜しい。読者数が減ると作者さまのモチベーションが下がって、私の好きな作品も続きが来なくなるかも……それは嫌。なので、この記事で宣伝します!

 

ここでしか読めない作品!

新都社の大きな特徴、それは「マルチポストの禁止」。マルチポスト=複数サイトへの同時投稿。

つまり、新都社の作品は他のサイトでは見れない! ここにしかない!

多くのインディーズ系webサイトはマルチポストでもOK。その影響で、別の漫画サイトに来たのにランキングに入ってる作品が同じ……、そんな経験みなさんあるのでは? これはけっこう悲しい。5か所以上に投稿されてるっぽい作品も普通に見かけるし

そんな人はぜひ新都社にどうぞ! 必ず新しい出会いがある、これは素晴らしいですよ。何百個もの、ここにしかない作品が読める! 今も投稿され続けている!

ちなみにwebサイトの傾向としては、エログロ系の作品も多く全体的に男性向け。また、画力が低めの作品が目立ちます。でも食わず嫌いはしないで欲しい!

1つ1つの作品について書いていくと長くなるのでカット。私のおすすめは↓の記事から読みに行けます。

https://web-good-contents.com/recommendation-neetsha/

面白いのが色々とありますよ~。

新都社には5つの投稿ジャンルがあって

週刊少年VIP:少年漫画系

週間ヤングVIP青年漫画。エログロあり

月間コミックニート:立ち位置がよく分からない……

別冊少女きぼん:一応、女性向けらしい。しかし新都社自体が男向けが多いからジャンルとして機能してるのか……?

まんがニートぷげら:4コマ

となっています。

利用者が減る理由を考えてみる

しかしユーザーが減るには理由があるはず。完ぺきで超すごいサイトならアクセス数が減り続けるわけはない。良いことだけを宣伝するのではなく、ちょっと問題点も考えてみますよ。

マルチポスト禁止が作者には不利

↑で「マルチポスト禁止だからここでしか読めない作品がある!」と宣伝しましたけど……これって読者には嬉しくても作者さまには不利なシステムですよね。

せっかく描いた作品をできるだけ多くの人に見て欲しいと思うのは当然。その手段としてマルチポストは大いにあり。複数のところに投稿すれば、それだけ露出と閲覧数が増える!

しかし、新都社を選んでしまうなら他のすべての投稿サイトに掲載できなくなってしまう。作者さまが新都社に投稿しなくなるもの分かります。そして、作者が減ると作品数が減り読者も減っていく。

②作者に収入が発生しない

私は作者として投稿した経験はないので詳しくないんだけども、webサイトによっては一般ユーザーであっても作品から収入があったりする様子。

ニコニコ漫画のクリエイター奨励プログラム、マンガボックスインディーズの先読み機能など?

比べて、新都社にはそういうシステムは無し(のはず)。どれだけ人気になっても1円の収入にもならない、完全に趣味。

こうなると作者さまとしては他のサイトに投稿したくなりますよねぇ。時間と労力をかけ、そして多くの人を楽しませている。そんな作品の価値が0円なわけはないし……面白さ分の報酬はもらって当然です。

結論 投稿者が減るのは納得するしかない

↑の2点から、作者さまにとってはあまり選びたくないサイトであり、作者の減少によって読者も減ってきたのだと思われます。なんだか、宣伝してるはずが叩いてるみたいになってきました(笑)

だから私は、web漫画を描いている作者さまたちに「もっと新都社に作品を投稿して盛り上げてくれ!」とは言えません。

しかし、web漫画の読者たちには「新都社にも面白い作品がいっぱいあるからもっと読みに来てくれ!」とは言いたい!

漫画を投稿する作者が減ると読者も減る。しかし、逆に読者が増えればそこを狙って作者が増える可能性もあるわけで。

とりあえず、今まで知らなかった人はぜひ1度のぞいてみて欲しいという宣伝でした。

web漫画「チラシのウラ漫画 」について語ります! ~引き込まれる空気感~

詩的な設定、魅せる描き方、ホラー要素もあるけど怖いだけじゃなく……

というわけで、今回はweb漫画「チラシのウラ漫画」について語ります。

http://tirasimanga.web.fc2.com/TUM/TUM.html

作者さまのすばらしいセンスが炸裂している、短編集タイプの漫画。幻想的かつ哲学的だったり。ちょっとホラー・グロ要素もあるので少し注意。試しに1つだけ読むなら、雨女の煙草、がおすすめ。

また、趣味が合ったら同じ作者さまの「無果汁500ml」もどうぞ。こちらも短編集ですが、ネーム置き場ということで絵はやや見にくい。しかし、ストーリーはこちらもすごくステキ。

http://tirasimanga.web.fc2.com/MKJ/MKJ.html

こういう、とんでもない人がひっそり居たりするのでインディーズ系のweb漫画もあなどれないんですよねぇ。

 

詩的な世界観

どの作品も設定・話の流れがとっても良いで。短いけれども広がりと余韻がある。まさに「詩的」というか。どうやったら、こんなに素晴らしい物語を思い付けてしまうのか。作者さまの想像力には感服するしかない。

作者である「チラシのウラ」さま自身も言ってますが、特に水関係の話は好みすぎてやばい。設定も絵としての美しさもすばらしい。

まぁ、こういう詩的作品・雰囲気漫画は他にも多くあり、方向性自体はそこまで珍しくないでしょうか。割と有名どころで言えば「惑星9の休日」とか?

しかし、そういった商業の作品と比べても勝るとも劣らないレベル。絵も古めの画風だけど、かなり上手いと思いますし。建物などの無機物を見ると分かりやいけど、相当しっかりしてますよ。

あと、雰囲気漫画と言っても色々だけど、この「チラシのウラ漫画」は割と毒がある話も多数。ほんわか癒しって方向性ではない。

でも、ホラー・グロ要素を入れないと書けない場面・毒気があるからこそ印象に残る物語ってのも確実に存在するものですよね。

特に好きな作品・印象に残っている話

ここからは作品ごとの感想を書きます。多少のネタバレがあるので、未読の方は注意。

 

最後のページ、怪物になったけと友人関係は続いてて一緒に釣りをしてるってのが良いですよねぇ。ホラーから一転して、なごむ。

これを読めば、作者である「チラシのウラ」さまの方向性が理解しやすい気がする。ホラー・グロ要素があっても、別にそれ自体が目的じゃないというか。物語を書くのに必要だったから隠さず入れただけって感じ? ひどいことは起きるけど、ひどい結末になるとは限らない。

 

帽子日記シリーズ

う~ん、私も帽子の中に行ってみたい。そして、この帽子の世界はこれからも広がり続けて行くのでしょうか。かなり長く存在してるみたいだけど、この帽子はだれがどんな風に作ったのかも気になる。

 

雨女の煙草

雨女シリーズは毒気が少なく読みやすくて好きなんだけど、その中でもこの話がお気に入り。絵としてめちゃくちゃ良い。

煙が雲になり雨を降らせる! なんてステキ! 実体の無い水の中でユラユラしてると、かわいい雨女がやってくるとか……最高ですやん。私も雨女の煙草が吸いたいな~。

 

最遠平面の雲

話・絵の両方とも好み。そうなんですよねぇ、自分が見ている・知っている世界をちゃんと自分で確かめている人は少ない。私を含めてほとんどの人はなんとなく思い込んでいる&信じてているだけ。言われてみれば、雲の大きさだって自信を持っては説明できない……

そして、月より大きく宇宙空間に広がる雲! すばらしい想像力。雲好きとしてはたまりませんな。

 

プロローグエピローグ

どうやったら、こんなアイディアを思いつけるのか……

2人があっさり死ぬのが「チラシのウラ漫画」な展開でビビったけど、死んだ後も割と元気にやってるのも「チラシのウラ漫画」っぽさであり安心しました。

 

日曜は水の街に

顔がゆらいでいるシーンが絵としてめっちゃ良い

 

虚数時間の遊び

印象に残るシーン多数。もう開幕の3コマからセンスが爆発しててやばい。一瞬で作品に引き込まれる。「おっとここから先は雨か」のシーンも、見せ方が上手すぎでは。たくさんの紙飛行機が空中で止まってるシーンとか、最初見た時に鳥肌立ちましたよ。

 

有害無罪玩具館

もうタイトルから天才。「有害無罪」ですよ? ひれ伏すしかない。万能デザイン人形のシーンも好き。ぬるぬるした鳥が見えている、これだけで館長の異質さをむちゃくちゃスマートに表現しててビビる。

 

虚人の夢

人が死ぬと現象になる世界……ロマンすぎる。しかしその世界では当たり前なので、むしろ人の付いてない現象の方が気になってくる、という深堀りもリアリティを増している。

 

一日ヒトコマ

コマごとに繋がりはないとのこと。しかし、ただのイラスト集ではなく「漫画のコマ」であるわけで、その前後に物語の気配を感じる。見ていると意識が引きずりこまれるというかトリップしそうになる。

 

いやー、どの話もすごいですよ。作者である「チラシのウラ」さまは、本当に私と同じ人間なのか。それこそ違う世界から来た超存在だったりして……

漫画「HELLSING」について語ります! ~やばいキャラしか出てこない!~

かっこよすぎるセリフ! 信念をもったキャラクターたち! 個性的なストーリー展開!

 

というわけで、今回は漫画「HELLSING」(ヘルシング)について語ります。吸血鬼と狂人と狂信者が、めっちゃめちゃに殺し合うバトルアクション。作者は「平野耕太」、全10巻。

イギリスVSナチスの残党VSキリスト教カトリック、私の安全のためにこれ以上踏み込みませんが舞台設定がやばすぎる(笑)

多少のネタバレがありますので注意。

 

生き様をつらぬく、前向きなキャラクターたち

この作品の大きな魅力の1つとして「キャラクターがみんな自己肯定感を持っている、前向き」ってのがあると思うんですよね。

インテグラ様、ベルナドット隊長、少佐、アンデルセン神父……キャラの多くが自分の生き方に自負を持っている。悩まないしブレない、過去に縛られてもいない。見ていて非常に気持ちがいい。自分もこんな風に生きたいな~! と思わせてくれる。

特に悪役の人たちに誇りがあって楽しそうのは良い。私は被害者意識のある悪役が嫌いなんです。

過去に縛られている、様々なできことに思い悩むながら成長していく。そんな登場人物は何というかジメジメしてる。しかし、ヘルシングのキャラはカラッと乾いてるというか。

物語が始まった瞬間すでに完成してるという表現もできそう。思い悩みながら成長していくキャラが主人公の作品も多いもの。そういうのも感情移入できて良いんだけども、見てて疲れたりイライラしたりすることもありますよね。

ヘルシングのキャラはひたすらに自分の道をブレずに突き進むのであり、見てて爽快感と安心感があるというか。

作中で真面目に悩んでたり過去に縛られるのってセラスとマクスウェル局長ぐらいでは? アーカードさんも地味にメンタル弱いか。残りはみなさん精神的な強さが意味不明な領域。

独特なストーリー展開 主人公が強すぎぃ!

↑で言った、物語が始まった瞬間すでに完成してる、にも重なりますが本作の主人公「アーカード」は最初からぶっちぎり最強。これも中々に珍しいストーリー設定では?

弱い主人公が苦戦の中で成長していく……これがバトル系の定番。しかし、アーカードさんは苦戦らしい苦戦はしないし重度の戦闘好きで楽しげに容赦なく殺しまくっていくという。ネットでは「主人公がラスボス」なんて言われたりもしますが、まさにそんな感じ。

むしろ敵に同情する勢い(笑) 相手の吸血鬼からも化け物呼ばわりされるほどのチートっぷり。アーカードVSその他のキャラ全部、でやってもアーカードさん勝つでしょうし。それぐらいのバランス。

これでしっかり面白い話になってるんだから、作者の平野耕太さんの実力は大したものです。ここを考えてみると直接戦闘では主人公アーカードが勝ち続けながらも、より高い視点の戦略レベルでは逆に悪役である「少佐」が最初から最後までほぼ狙い通りに作戦を進めているからでしょう。

「試合に勝ってるけど勝負には負け続けてる」みたいな状況だと。ロンドンへのテロは防げてないし。主人公は最強だけど万能ではない、悪役にもしっかり見せ場がある。ここがヘルシングのストーリーの面白さ。

それにしても、これだけ化け物すぎるアーカードさんを100年前のヘルシング教授たちはどうやって倒したんでしょうか。たった数人で勝ったとかやばすぎ、全員がアンデルセン神父レベルに強かったのか……?

好きな登場人物ベスト5

私「イマ猫」の独断と偏見です。

1位 少佐

この作品で最も存在感のあるキャラクター、それは悪役である少佐でしょう! この人がめっちゃくちゃに良い。私の好きな悪役ベスト10には確実に入ります。

運動不足のデブであり戦闘力まったく無し。しかし、その諦めない心と準備に準備を重ねた周到な計画を持って最強の吸血鬼アーカード打倒を目指す! ここだけ説明すると少佐が主人公に見えてくる(笑)

戦争大好き人間で、手段(=戦争)のためには目的を選ばないという狂気の存在。勝ち戦だけなく負け戦でも大歓迎な超やばい奴。1000人の吸血鬼を指揮する、人間。出てくるたびに名言を言いまくる悪のカリスマ。

「強くてかっこいい悪役」は色々といますが、「直接には戦わないのにかっこいい悪役」は少ない気がしますよ。作中の部下たちも読者も、強さではなく狂気に惹かれるのです。

作戦を成功させ、楽しく満足げに殺されるのも見事な散りざま。やはり悪のカリスマたるもの最後まで余裕を見せねばなりません。負けシーンこそが悪役の華。

……しかし、本人はアーカードに勝ったと思ってるまま逝きましたが、実際には復活されちゃいました。さすがチートの塊アーカードさん。これを知ったら少佐はどう感じるのか。戦争できれば負けても楽しいとは想いますが、さすがに悔しがるんでしょうか。そして喜々として再選準備と。

でも最初から最強だったくせに虚数による瞬間移動を獲得して、さらに強くなってそうなアーカードさんとかどうやって倒せばいいのやら? 強敵との闘いで成長を忘れない主人公の鏡(笑)

2位 ベルナドット隊長

化け物たちの中に放り込まれた一般人枠……かと思えば、はした金で殺し合うガチガチの傭兵。普通にやばい人である。作中でも南米のホテルの時に涼しい顔して殺しまくり。

しかし、ロンドンの崩壊には怒ってる様子。自分がクズであると自覚しつつも一般人の平和を尊重できる男前。

本当は死にたくない、と言いつつもセラスを救出して満足気に死亡。やはり笑って死ぬキャラはかっこいいですな! なんて思ってたら彼女の魂の中に同居してるという作中屈指の勝ち組。

3位 ペンウッド卿

無能だが、男の中の男。ある意味で精神が子供っぽい自由人だらけの中で輝く大人。このキャラのおかげで作品が2倍ぐらい面白くなってると感じる影のMVP。

4位 アーカードさん

ドSかつドM。勝手に期待して勝手に失望してくる。最強の吸血鬼にして死にたがりの人間大好きおじさん。基本的にクールでかっこいいが、急にぱっつん美少女に変身して煽ってきたりするユーモアの持ち主。

5位 ウォルターさん

有能な老人執事であり糸使い糸使いって、かっこいいキャラしかいない気がする。戦闘シーンが毎回かっこよすぎる。何気に気が強くヤンに煽り言葉を返すシーンは良い。

と思っていたら生き方が分からなくて裏切ってくるダメな人。でも、お嬢様のことは普通に認めてて2重に面倒くさい。青年モードも少年モードでもオシャレな見た目でたまらない。

 

……男キャラばっかになりましたね(笑) インテグラさまもセラスさんも好きですよ。というか、出てくるキャラみんな良い。素敵なキャラしか出てこない漫画。

かっこいいセリフのオンパレード!

作者の名前から「平野節」とまで呼ばれる、個性的でかっこいいセリフの数々も魅力。というわけで私も好きなセリフをいくつか抜き出してみると、

いいですか暴力を振るって良い相手は悪魔共と異教徒共だけです (1巻)

キリスト教の歴史は戦いの歴史だ 異端審問と異教弾圧で屍山血河を築いてきた最強の世界宗教だ(1巻末)

小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命乞いする心の準備はOK? (2巻)

「教義のためなら教祖も殺す」 (2巻末)

戦争交響曲が聞こえる あの懐かしい音が 阿鼻と叫喚の混声合唱

世の中には手段のためには目的を選ばないというような どうしようもない連中も確実に存在するのだ (4巻)

諸君 私は戦争が好きだ 諸君 私は戦争が好きだ 諸君 私は戦争が大好きだ (4巻)

ウチの家系は割とそーいうホントに人間のクズの家系なんだ (6巻)

皆笑って死んでいく そうだ奴らは死ぬためにやって来たのだからな (9巻)

ああ これは良い 良い戦争だった (10巻)

かなり厨二病で臭いっちゃ臭いけど、それがいい。名言だらけ。すげーセンス。あと巻末と表紙下のカオス空間も好き。

飛び出す描き方、平野画法?

1巻の間は絵が上手いってわけじゃないんだけど、途中からズンドコ迫力が出てくる。始めて読む人は1巻だけで判断しないで! ってのはヘルシングファンあるあるの意見だと思います。漫画の連載って年単位なので途中で変化してたりするのは面白いところ。

それから平野さんの絵は色々と特徴的なんだけど、その中に「コマの枠から出す描き方が多い」ってのがあるんじゃないかと。

↓みたいな感じ。

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コマから飛び出す書き方



遠近感・迫力が増しますね。意識して読んでみると、コマから飛び出してるシーンが意外なほど多くある。

別に平野さんオリジナルの手法でも無いけど、これを多用するのは1つの作風だと思います。平野節ならぬ平野画法?

しっかり独自の作風のある人って良い。いやー、HELLSIGはすごい漫画だし、平野耕太さんはすごい人です。

web漫画「群れなせ! シートン学園」が面白い! ~動物ネタいっぱい!~

擬人化された哺乳類たち! 生態を上手くキャラの個性に活かしている!

というわけで、今回はweb漫画「群れなせ! シートン学園」について語ります。数多くあるweb漫画の中でも個人的にすごく好きな作品。テンポが良くギャグコメとしてクオリティがとても高い。

動物嫌いの人間男子「ジン」が通うのは、さまざまな哺乳類たちが生活している「シートン学園」。動物ネタ満載!

連載されているのはサイコミというwebサイトで、無料で全話読めます。書籍化もされている人気作だけど1話から最新話まで抜けなく閲覧化。今から見に行く人でも完全に読める! サイコミは全作品この形式で、読者としては素直に嬉しいですね。

 

動物ネタたっぷり!

オオカミは新しく群れに入ってきた相手の口元をなめてコミュニケーションする、シマウマはロバに近い(しっぽの先だけ毛がフサフサ)、コアラは個体ごとに同じ種類のユーカリだけを食べ続ける、ナマケモノは時速約180m、寒い土地の動物の多くは「対向流熱交換」システムを持ち血液の冷えに強い、シマウマはワンと鳴く(犬そっくり)、全身から汗をかいて効率よく放熱できるのは人間と馬だけ、ライオンはたてがみが黒くて大きいオスほどモテる、ハイエナはメスでも股間に棒が付いている………などなど。

色々な哺乳類の雑学・おもしろネタたっぷり。読んでるうちに豆知識が増える! 動物好きとしては楽しく読み進めちゃいますね~。

タイトルの元ネタとして動物研究の名著「シートン動物記」を使うだけのことはあります。

オスが割とリアルなのが良いバランス

この作品、メスはがっつり美少女擬人化。ケモ耳&しっぽぐらい? だけど、オスは割とリアル風! そのせいで見た目はかなりシュール(笑)

これ、作者と編集さまは悩んだところだと思うんですが個人的にはすごく良いと思います。萌え美少女と動物の見事なバランス。男キャラまで擬人化しきっちゃうと動物感がなくなっちゃうし、生態ネタも上手く使えない。

逆に、ギャグにメスまでリアル風にしちゃうと美少女の華がないし迫力ありすぎ。人間であるジンとのラブコメも成立しないし……1発ネタとしては爆笑でしょうけど連載漫画としては売れない。

生態を上手くキャラの個性につなげている

どうやってキャラクターの個性を出すか? ってのは重要ポイントですよね。どれだけ変わったキャラを出すか、テンプレな登場人物になってないか。これは多くの作者さまを悩ませるポイントでしょう。

その点、このシートン学園は良い感じです。擬人化されていると言っても設定的には「動物っぽい人間」ではなく、その動物そのもの。生態がダイレクトに反映されていて面白い。

例えば、女子狼である「ランカ」は気に入った相手の顔をペロペロと舐めまくります。これ、普通の人間ヒロインでやるとかなり変態的ですよね(笑)。相手の顔をなめるとかやばい。個性は出ますが、読者も含めて周りはドン引きでは? 少なくとも一般ギャグコメ向きなキャラ造形じゃない。

でも、狼なんだったら無問題で自然。このように人間以外の動物であることをキャラの個性に繋げている。他の作品ではありえない感じのキャラが多数登場、だって人間じゃないんだもん。上手い!

コアラ女子なんてう〇ちを連呼して何度も食べてるけど、これとか人間でやると激烈にマニアックな領域に突入しますし……

ギャグコメとしても動物の不思議な生態・おもしろネタで笑いを取ってくるので予想外で新鮮。学園ギャグコメって割と「他の作品でもこのネタ見たな~」「似たような流れを読んだことある」感じになりやすいけど、本作は独自のネタが多い。

シマウマじゃなくて実はクアッガだった!(前足の模様が違う)、こんなネタが被るわけがない(笑) 他にも擬音がバーン!じゃなくて、ロバーン!だったりとか。

動物ネタを雑学だけでなくキャラクター造詣とギャグに活かして他作品との差別化につなげている。良い発想であり素晴らしいセンス。とても面白い作品に仕上がっています。