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web漫画「チラシのウラ漫画 」について語ります! ~引き込まれる空気感~

詩的な設定、魅せる描き方、ホラー要素もあるけど怖いだけじゃなく……

というわけで、今回はweb漫画「チラシのウラ漫画」について語ります。

http://tirasimanga.web.fc2.com/TUM/TUM.html

作者さまのすばらしいセンスが炸裂している、短編集タイプの漫画。幻想的かつ哲学的だったり。ちょっとホラー・グロ要素もあるので少し注意。試しに1つだけ読むなら、雨女の煙草、がおすすめ。

また、趣味が合ったら同じ作者さまの「無果汁500ml」もどうぞ。こちらも短編集ですが、ネーム置き場ということで絵はやや見にくい。しかし、ストーリーはこちらもすごくステキ。

http://tirasimanga.web.fc2.com/MKJ/MKJ.html

こういう、とんでもない人がひっそり居たりするのでインディーズ系のweb漫画もあなどれないんですよねぇ。

 

詩的な世界観

どの作品も設定・話の流れがとっても良いで。短いけれども広がりと余韻がある。まさに「詩的」というか。どうやったら、こんなに素晴らしい物語を思い付けてしまうのか。作者さまの想像力には感服するしかない。

作者である「チラシのウラ」さま自身も言ってますが、特に水関係の話は好みすぎてやばい。設定も絵としての美しさもすばらしい。

まぁ、こういう詩的作品・雰囲気漫画は他にも多くあり、方向性自体はそこまで珍しくないでしょうか。割と有名どころで言えば「惑星9の休日」とか?

しかし、そういった商業の作品と比べても勝るとも劣らないレベル。絵も古めの画風だけど、かなり上手いと思いますし。建物などの無機物を見ると分かりやいけど、相当しっかりしてますよ。

あと、雰囲気漫画と言っても色々だけど、この「チラシのウラ漫画」は割と毒がある話も多数。ほんわか癒しって方向性ではない。

でも、ホラー・グロ要素を入れないと書けない場面・毒気があるからこそ印象に残る物語ってのも確実に存在するものですよね。

特に好きな作品・印象に残っている話

ここからは作品ごとの感想を書きます。多少のネタバレがあるので、未読の方は注意。

 

最後のページ、怪物になったけと友人関係は続いてて一緒に釣りをしてるってのが良いですよねぇ。ホラーから一転して、なごむ。

これを読めば、作者である「チラシのウラ」さまの方向性が理解しやすい気がする。ホラー・グロ要素があっても、別にそれ自体が目的じゃないというか。物語を書くのに必要だったから隠さず入れただけって感じ? ひどいことは起きるけど、ひどい結末になるとは限らない。

 

帽子日記シリーズ

う~ん、私も帽子の中に行ってみたい。そして、この帽子の世界はこれからも広がり続けて行くのでしょうか。かなり長く存在してるみたいだけど、この帽子はだれがどんな風に作ったのかも気になる。

 

雨女の煙草

雨女シリーズは毒気が少なく読みやすくて好きなんだけど、その中でもこの話がお気に入り。絵としてめちゃくちゃ良い。

煙が雲になり雨を降らせる! なんてステキ! 実体の無い水の中でユラユラしてると、かわいい雨女がやってくるとか……最高ですやん。私も雨女の煙草が吸いたいな~。

 

最遠平面の雲

話・絵の両方とも好み。そうなんですよねぇ、自分が見ている・知っている世界をちゃんと自分で確かめている人は少ない。私を含めてほとんどの人はなんとなく思い込んでいる&信じてているだけ。言われてみれば、雲の大きさだって自信を持っては説明できない……

そして、月より大きく宇宙空間に広がる雲! すばらしい想像力。雲好きとしてはたまりませんな。

 

プロローグエピローグ

どうやったら、こんなアイディアを思いつけるのか……

2人があっさり死ぬのが「チラシのウラ漫画」な展開でビビったけど、死んだ後も割と元気にやってるのも「チラシのウラ漫画」っぽさであり安心しました。

 

日曜は水の街に

顔がゆらいでいるシーンが絵としてめっちゃ良い

 

虚数時間の遊び

印象に残るシーン多数。もう開幕の3コマからセンスが爆発しててやばい。一瞬で作品に引き込まれる。「おっとここから先は雨か」のシーンも、見せ方が上手すぎでは。たくさんの紙飛行機が空中で止まってるシーンとか、最初見た時に鳥肌立ちましたよ。

 

有害無罪玩具館

もうタイトルから天才。「有害無罪」ですよ? ひれ伏すしかない。万能デザイン人形のシーンも好き。ぬるぬるした鳥が見えている、これだけで館長の異質さをむちゃくちゃスマートに表現しててビビる。

 

虚人の夢

人が死ぬと現象になる世界……ロマンすぎる。しかしその世界では当たり前なので、むしろ人の付いてない現象の方が気になってくる、という深堀りもリアリティを増している。

 

一日ヒトコマ

コマごとに繋がりはないとのこと。しかし、ただのイラスト集ではなく「漫画のコマ」であるわけで、その前後に物語の気配を感じる。見ていると意識が引きずりこまれるというかトリップしそうになる。

 

いやー、どの話もすごいですよ。作者である「チラシのウラ」さまは、本当に私と同じ人間なのか。それこそ違う世界から来た超存在だったりして……