web漫画「Heaven to Hell」について語ります! ~色鮮やかな愛の世界~
オシャレな色合い! 男女の愛憎! 世界の秘密?
というわけで、今回はweb漫画「Heaven to Hell」について語ります! そこまで有名じゃない気もしますが、知る人ぞ知るというか高いクオリティと独創的な設定で濃いファンがいる印象。2005年から連載が続ているweb漫画界隈の古強者。
http://astralchildmax21.web.fc2.com/contentastral.htm
悪魔はすべて男として生まれ、天使はすべて女として生まれる世界。お互いには運命で決められた相手がいて、つがいは生まれる前から決まっている。しかし、悪魔と天使は種族同士で敵対していて……
フルカラーの鮮やかな世界
読み始めてパッと目に飛び込んでくるのが鮮やかな色使い。個人製作だけどカラーページたっぷり。
塗りがちょっと特徴的というか、あまり商業漫画だと見ない雰囲気? すこし絵本風というか? 個性があって魅力的だし記憶に残る。女性陣である天使の服はキュートだし、風景も美しい。
壮大なる愛憎ファンタジー
ストーリーも本格的かつ個性あり。悪魔の国と天使の国に分かれていて2つの種族は敵対している。しかし、次期魔王のヤイコヴは両者が親しくする平和な新時代を作る計画中。はたして未来はどうなるのか。また大昔は何やら重要な秘密がある様子?
男と女、まぁ王道中の王道とも言えるテーマだけどそこに独自のファンタジー要素を上手く組み込んでいる。個人と個人の話だけでなく種族同士の問題でもあると。
お互いに敵意を持ってて偏見と勘違いばかりで……読んでて辛くなるシーンも多数。でも、現実も割とこんなものかも。男女で無駄に憎みあったりしてないだろうか? 作者さまの鋭い視点がある。
そして主人公たるヤイコブがすっごく良いキャラ。勉強ができないバカっぽい雰囲気に思わせて、実は計算高い。表面的には何も分かってないふりをしつつ、実は理想の世界を目指す熱い心を持っている。とても優しくて好感の持てる性格。苦しみだらけの世界を変えてくれ! 読んでてめっちゃくちゃ応援しちゃいます……!
恋愛ものとしても個性的
設定の影響で、恋愛ものとしては珍しいストーリー展開。つがいに合うまでは相手に敵意を持ってるんだけど、実際に出会うと一転して好きになる。これがなかなか楽しい。
悪口言いまくってたキャラがすっかり仲良くなっている。ギャップ萌え? 冷酷でクールな悪魔とか、気が強くて高圧的だった天使とかが、すっかりラブ甘カップルに!? ある意味でキャラ崩壊なんだけどそれが作品の設定であり魅力。
しかしゴールするまでに問題があるカップルもあったり。簡単に傷が治る世界なので、それを悪用して相手に暴力を加えるシーンも多数……攻撃されたほうは血が出ていて痛々しいし心のスレ違いにも悲しくなる。
でも、苦難を乗り越え互いの本心を知ったカップルはとっても幸せそうで、読者も笑顔になっちゃいます。よかったよかった……
設定的にゴールインしちゃえば浮気も離婚もありえない。文字通り運命の相手、あこがれちゃいます。
あと女性陣の赤面がすっごくかわいい! そもそも赤面している女キャラってのが、かわいいの代表的シチュエーションだと思うけど、この作者さまの赤面は特に私好み。
作者さまの構想を見るに、今はまだ全体の4分の1ぐらい? まだまだ話が続いて世界が広がっていきそう……! 1ファンとしてぜひ最後まで読みたい、そのためには作者さまの創作意欲が続く必要がある。というわけで、この記事を書いて宣伝紹介しているわけです。ほんと良い作品なのでみなさんぜひぜひ。
web漫画「胎界主」について語ります! ~絵も話も驚異的~
驚きのフルカラー、造詣がセンス抜群、話も独創的で深い!
というわけで、今回はweb漫画「胎界主」について語ります。個人製作のweb漫画のなかでは超有名な作品ですね。ほんと作品としての質が高すぎる。
世界の裏では悪魔や司神がうごめいたいた。特殊な力をもつ主人公は、多くの勢力から目を付けられ、じょじょに大きな流れの中心となっていく。
ぶっちゃけ序盤は話も絵もゴチャゴチャしてて分かりにくい、でも何となくでいいから読み進めていただいきたい。慣れてくれば圧倒的な世界が見えてくるはず。
絵がめっちゃいい!
まずこの作品のすごいところは、やはりフルカラーであること。全編フルカラーなんでインディーズどころか商業漫画でも珍しいはず。見ていれば分かるけど、このクオリティでフルカラーなんですよ!? すごすぎる……どんだけ労力かかってるんだ。
しかも造形と配色もセンス抜群。キャラの衣装、化け物の姿、異界の風景……どれも魅力的。すごい凝ってる。第2部に出てくるワイトたちとか、超かっこいい。
ほんと絵として良いコマが多すぎる。色鮮やか。ページをめくるたびに圧倒されますよ。おすすめシーンが多すぎて書ききれない。どれぐらいの作業時間が必要なのか……想像するだけでやばい。作者は良い意味で変態。
話も深い!
もちろん絵だけの作品じゃありません。ストーリーも超すごい。
作品タイトルにもなっている「胎界主」の設定からしてシビレます。はっきりとした自分の意思を持ち、創造行為を行えるのが胎界主。逆に、周りに流されるだけで創造行為を行えないのが胎界物。胎界物は胎界主の世界に取り込まれて生きている偽物であり、胎界主だけが本物である。
読んでいると「自分は胎界主か? それとも胎界物か?」と疑問がわいてくる。はたして自分は自分の意思をはっきり持てているだろうか、創造的行為を行える人間だろうか……考えさせられる作品。
そして、作品を読んでいくとけっきょく胎界主たちも真実を理解できていないと分かる。世界の流れそのものに偽物と本物があり、本物の流れの先に真実と新たな世界がある。新しい世界を生み出せる存在こそが「真の胎界主」である。壮大で神秘的な作品設定。
あと、主人公が持つ「運ぶ力」も斬新かつ画期的。これはいわば「自分の思い通りに物事を運ぶ力」。つまり、超強烈な運ぶ力を持っている主人公が生き残っていくのは当然の結果。
オタク界隈だと「主人公補正」なんて言葉が使われたりしますが、それを作中に取り込んでいる形。まさに世界の主人公であり、主人公自身も周りのキャラも運ぶ力については把握している。無理やり都合の良い展開にするのではなく、「都合の良い展開が起きる」ことを作品設定にしている。天才のひらめきでしょう。そして、相手側にも「運ぶ力」の持ち主がいて、最終的な決着は読めないようになっている。これまた上手い。
キャラも個性的!
絵としての完成度、世界観の深さ、それが融合して生まれるキャラクターたちも実に魅力的。黒幕なのにお茶目なソロモンおじいちゃん、オシャレで苦労人のメフィストフェレス閣下、みんな大好きマスコット枠のデカトン、冷静でかっこいいデュラハン、いろいろキマってるピュアさま……みんな良いキャラしてます。
こうやって私の好きなキャラを書いていると敵のほうが多い(笑) この作品、人外勢のほうが見た目がオシャレだからかな……?
絵・ストーリー・キャラ、どれもめちゃめちゃ良くて無限に読み返せる作品。時間泥棒ですよ。
web漫画「竹やんと坂本くん」について語ります! ~理想的な恋愛~
2人の平和なラブラブっぷり! 竹やんのかわいさ!
ということで、今回はweb漫画「竹やんと坂本くん」について語ります。
http://takeyansakamoto.goraikou.com/index.html
1・2話目は、まだ画風が安定してなくて固い。3話目から竹やんがさらにかわいくなるので、とりあえず3話目までは読んで欲しい!
竹やん、かわいい
この作品、なんといってもヒロインである竹やんがかわいい! 自由で、いたずら好きで、表情豊かで、一途で、純情で、ちょっと嫉妬深くて、黒髪ロングで、胸が大きいわがままボディ!
私の好みに刺さりすぎててやばい。web漫画だけじゃなく、紙の漫画・小説・ゲームなどを含めた女キャラ全体でもトップクラスに好き。う~ん、こんな彼女がいるとは坂本君うらやましい。
周りの人には興味ないけど、好きな人にだけはぐいぐい来るのすごい好み。いわゆる萌え属で言えば素直クール系? 竹やんはクールとは言い難いけど。
ぶっちゃけ、そこまで「絵が上手い!とか「ギャグが面白い!」って感じではないので、やはり「竹やんがかわいい」こそが作品の魅力と言えるのでは。
あとは作者である「ててん」さまの絵柄も好きですね~、キャラクターがみんな表情豊かで楽しい。特にニコニコ顔がすごくいい。ニコニコ竹やんがかわいすぎてやばい。本当に嬉しそう。
クリスマスと修学旅行に出てくる寝不足の竹やんもかわいい。ちょっと顔色が悪くなってるのが上手く描き分けられてるし、寝不足で謎にテンション上がって子供っぽくなってるのがリアル。
平和な恋愛、周りからも公認されまくり
この作品で好きなもう1つのポイントは「平和な恋愛」だってこと。問題が起きない。竹やんと坂本くんがずっとラブラブしてるだけ。
お互いの気持ちがすれ違ったり、ささいなことでケンカしたり、ライバルが現れたり……恋愛作品にも色んな問題が出てきたりするもの。
そういう描写があった方がリアリティは増すし、物語としてもメリハリが出る。でも、読んでると疲れる。ハラハラドキドキしちゃうわけですよ。
その点、「竹やんと坂本くん」は安心して読める。2人はずっと一緒で仲良し。私はハラハラドキドキ恋愛系より、こういう恋愛日常系みたいなタイプの方が好きなんですよね。
さらに周りから公認されまくってるのもいい。友達に隠すこともなく、竹やんは坂本くんの妹からも受け入れられ、坂本くんは竹やんの家族に認められている。
ラブラブで問題は起きず、周りから公認されまくっている。理想的な恋愛では!?
ほんと癒される漫画です。
web漫画「パプリカGIRLS」について語ります! ~ぶっ飛んだセンス、作者は天才~
むちゃくちゃな勢い! かっこよすぎるセリフ回し! 映える髪の色!
というわけで、今回はweb漫画「パプリカGIRLS」について語ります。
http://naskaj.web.fc2.com/index.html
血はドバドバ出るし人は死にまくるし、ちょっとグロ注意ですが……1話目からグイグイ引き込まれるのでぜひ読んでいただきたい。
レッド、イエロー、ブルーの3人娘が怪人と一般人を殺しまくる! 正義の味方とは決して言えないぶっ飛び加減が素晴らしい。
作者がジャンルを「カートゥーン」にしているように、画風は割とアメリカ風。そしてノリの良さもアメリカ的なんだけど、そこに日本の萌えと狂気がぶち込まれている。
かっこよすぎるパプリカ節、作者は天才!
この作品の1番の魅力は、絵柄とストーリーに合ってない謎にかっこよすぎるセリフ回しでしょう! コメント欄では「パプリカ節」とまで称えられる、独創性にあふれた前口上。〇〇節、って言われるの良いですよね。それだけの個性と魅力があるわけで。
ちょっと引用させていただきますと
水田に映えし赤き陽に 悲をくべよ我が哀悼歌
枯田に汲みし赤き血を 糧に聳えよ黄金の穂
2話 怪人ジャポニカ米ケル
いや~、かっこいい(笑) 言葉のリズム、単語の使い方、う~ん……すばらしい。
しかも、この漢字だらけの古風な口上が、カートゥーンな世界観の中でいきなり出てくるわけで。インパクトがやばい。
これは天才のセンスですよ。一般人じゃ作れない。私なんかが100年考えても、思い付けないでしょう。引用した部分以外にも全体的なセリフ回しが古めかしくて超かっこいい。個人的には13話も好き。お前の全てを置いていけー! 主人公の言うセリフじゃないけど(笑)
かわいいガールズと、映える髪の色
もう1つ、この作者のセンスが光ってるのがガールズの髪の色。他の部分はすべて白黒なんだけど、ガールズの色だけがカラー。モノクロの世界にピンク、イエロー、ブルーが映える。
ある意味でフルカラーより楽しいかもしれないんですよね。普通は白黒よりも、フルカラーですべてのものに色が付けてある方が良いとされます。現実はフルカラーなわけだし。
しかし、この作品においてはガールズの髪だけに色がついていることで、3人の存在感・異質さが際立っている。これまた作者さまの天才のセンスだと感じますね。すべてフルカラーだったら、むしろガールズが目立たなくなってしまうかも。
そして、たまにガールズの絵柄がかわいくなるのも良い! 4話の最後とかすげーかわいいですよね。この作者さま、丁寧かつ本気で書いたら普通に女の子上手い。
個人的には3人からあえて選ぶならブルーさんが好みでしょうかね。1番やばい雰囲気が(笑) 13話目のセリフとか邪悪すぎる! かっこいい!
それにしても父親は謎の存在。しゃべるコーヒーカップ……? ガールズとは血のつながった実の親子関係なのか? 8話ラストの演出を見るにつけて、かなり危険な存在っぽいけど……最後まで正体がはっきりしませんでしたねぇ。
本当に最終回を迎えたのが悲しい作品。まぁ、しょうがないとは思いますけどね。ノリと勢いが重要なタイプで、長期連載に向かないのはよく分かりますし。短編として締めたのも作者のセンスでしょう。
それでも、いつまでも3人娘の大暴れとパプリカ節を見ていたかった。
web漫画「刀遊記」について語ります! ~演出のセンス~
迫力あるバトル! 強者たちの存在感!
というわけで、今回はweb漫画「刀遊記」について語ります。
http://touyuki.html.xdomain.jp/
web漫画投稿サイト「新都社」の中でもトップクラスの人気を誇る作品。確かに、web漫画としてはかなりのクオリティで高評価も納得の出来栄えです。
正統派バトルアクション。舞台はアメリカ西部。日本から世界を見るため渡ってきた侍「伊武清十郎」は途中で父の形見である日本刀を奪われてしまう! 刀を取り戻すため、そして出会った人々を助けるため、清十郎は強敵との戦いに挑み続ける! 西部劇+日本刀、な感じ。
ここから先は管理人が作品の内容を好き放題に書いているので、本編を見てから読んでいただいた方が分かりやすいと思います。
コマの描き方が上手い! 印象に残るワンシーンがある
さてさて、個人的にはぶっちゃけストーリーは割と一般的では。お人好しの主人公が、あれよあれよと大きな事件に巻き込まれていく。特筆するほどじゃない。
そして、画力もweb漫画としてはかなり上位だと思いますが、商業と比べれば上手いと言えるほとじゃないのでは。正直、「描き込みがちょっと物足りないな~」ってシーンもちらほら。
じゃあ何がいいのか? 演出のセンスですね。要所要所で、グググっと引き付けられるシーンを描いてくる。全体が良いというより、部分部分が光っている。
より具体的に言えば、強キャラの存在感とアクションシーンの面白さ。ここに関しては商業の作品と比べてもかなり上位じゃないかと。
例えば第5話「ビリー・ザ・キット」。化け物級のガンマン、ビリーのやばさが強烈に伝わってくるし、清十郎が近づいてきても無表情で連射してくるシーンの流れはすごい。
第五十三話「洗脳」における、シャオロンと清十郎の戦いなんかも、動きがダイナミックでコマからコマへの流れが上手くて、すばらしいスピード感。
第八十四話「ジェシー対清十郎」。ジェシーの視線、特に6発目の演出はむちゃくちゃにかっこいい!
第百十八話「たどり着きたかったその場所へ その④」 の、広場に降りてからヘラクレスが虐殺する大ゴマ連続には鳥肌立っちゃいましたよ。
作者である「千夜」さまは強キャラと、その戦いを書くのが本当にうまい。「強い!」「かっこいい!」「やばい!」と素直に興奮させてくれる。
印象に残る名シーンがいくつもある作品です。
ジェシー・ジェイムスが好みすぎる!
この作品で1番好きなキャラは? と聞かれたら、私は即座にジェシー・ジェイムスと答えます。web漫画に限らず、紙の漫画・小説・ゲームなどを含めた全体でもトップクラスに大好きなキャラクター。好みに刺さりすぎてやばい。
人外の域に達した最強のガンマン。自由で、お茶目でユーモアたっぷり。そして、目的のためならいくら人が死にまくっても気にしない傍若無人さと自己中心的な発想。
主人公である清十郎、そのライバルポジションかつガンマン代表として第2の主人公とも言えるビリー・ザ・キッド。そこに加えて、ジェシー・ジェイムスも悪役にして第3の主人公と言えるのでは!
次に何をするか読めず、出てくるたび好き放題に動き回る。魅力的な悪役がいる作品は、良い作品です。
第二十二話「隻眼のアウトロー その③」における初登場のシーンからして、強烈に印象に残るし、作者さまのセンスが炸裂してる。
あとは、第七十七話「切り替えポイント」とかも。ビリーと対面しながらも食事を続行する自由さと余裕、撃たれた弾丸を後出しで撃ち落とす化け物っぷり。短い間にジェシーの魅力が詰まった名場面でしょう!
そして、言動だけでなく絵としての表現法も最高! 顔は陰で真っ黒に塗りつぶされ、眼だけが見えている。めちゃめちゃかっこいい! たった1人だけ、他のキャラとは違う演出。異質さが際立ちます。
少なくとも私は、他の作品でこういう表現をされるキャラを見た記憶がありません。独創的ですばらしいセンスでは。
実は読者にも素顔は判明してます。 第四十話「港町ブルーレイン」で出てくる鼻の長い男。これこそジェシーの姿。
しかし、その後も顔は真っ黒で眼だけが見える。作者さまも分かってますねぇ。鼻の長い素顔で描いてしまっては、あそこまでの異質さ・かっこよさは表現できないと思いますよ。
本当に作者さまの「センスの良さ、演出の上手さ」が凝縮されている名キャラクター。
強キャラの存在感、アクションシーンの面白さ、演出のセンス。魅力的な漫画でしょう。
web漫画「旦那が何を言っているかわからない件」について語ります! ~男のロマンと恋と愛~
カオルさんマジ天使! あふれ出るギャグとおたくネタ! 2人の最高の関係!
というわけで、今回はweb漫画「旦那が何を言っているかわからない件」について語ります。
http://ilovecool.web.fc2.com/vippperdays/top.html
web漫画の中でもトップクラスの大人気作で、アニメ化もされました。個人的にも超好き。
重度のオタクで2チャンネラーの旦那「十一(つなし はじめ)」と、ヤンキーあがりだけど真面目な社会人十カオル(つなし カオル)の夫婦ラブコメ。
ただし、注意点が2つほど。まず、おたくネタが満載でありサブカル系の知識がある程度無いと楽しみにくい点。あんま詳しくない私でも大丈夫なんで、最低限でいいとは思いますけどね。
もう1つは手描きで、ちょっと絵が見にくいこと。これも絵自体は上手いんで、そんな気にならないとは思いますが。
作者さまは「クール教信者」。この作品以前から2チャンネルや同人で活動していたガチガチのおたくであり、この作品で知名度アップ。
そこから2012年からは「小森さんは断れない!」、2013年からは「小林さんちのメイドラゴン」など複数の商業作品を展開するプロとして活躍中。
プロになれるだけの実力があった作者なわけで、この「旦那が何を言っているかわからない件」も非常に面白くて完成度が高いです。
絵柄はとてもかわいいし、単純なおたくギャグ漫画としてもすごく笑えるし、ラブコメとしてもベタベタに甘くてニヤニやしちゃうし、恋愛ものとしても終盤のストーリー展開・人間関係がすばらしい。
カオルさん、まじかわいい! オタク男性の理想では
作者であるクール教信者さまは、おっぱい・巨乳が好きな人として知られています。まぁ、確かに、おっぱいは男のロマン。
ところが、今作のヒロインであるカオルさんは巨乳じゃない。でもでも! やはり、作者さまは男のロマンを追及していると思うんですよ! カオルさんは、巨乳とはまた違った方向性の男のロマン・夢じゃないかと。
具体的には、ここまで旦那のおたく趣味を許容してくれるってすごくないですか? 旦那はアニオタなだけじゃなく、平気でエロゲーやったり危ない同人誌とかも買ってきてるっぽいし……!
カオルさんは別におたくじゃないんですよ。おたく関係の知識は全然なくて、汚れてないというか純真というか。そこがカオルさんの萌えポイントの1つであるわけで。いちいち素直に反応してくれて面白いしかわいい。
そして、おたくじゃないのに旦那のオタ趣味を許容してくれる。ここが理想的。おたく同士で結婚してたら話は分かりやすい、お互いに同じものが好きなんだし内容は理解できてるんだから。
でも、旦那の趣味は理解できてないのに、許容してくれる。すごい! 聖母だ! オタ趣味を許容してくれる染まってない女性、オタク男の理想じゃないですか? 旦那が何を言ってるかわからない、それでも認めてくれる。
それに赤面してるカオルさんかわいいし。赤くなってる女の子はかわいい。カオルさん20代後半でバリバリ働いて稼いでる社会人だけど、絵柄のせいでめっちゃ若くて柔らかそうに見えるし。ここら辺も男のロマンですかね(笑) あと酒癖悪いものめんどくさそうだけど萌え。
男女を越えて仲良しというか? その後の人生も上手くいきそうで安心
もちろん、もう1人のメインキャラクターである旦那さんも良いキャラ。明るく、オープンなオタク! おっおっお(^ω^)! 見てて楽しい。ダイナミックなギャグの数々。
そして、まとめサイトとかwebデザインでさらっと稼ぎまくってる有能さ……家事も万能だし。一般的な会社勤めができないだけで人間としてクズなわけじゃない、これもオタクというか社会になじめない人の理想像では?
カオルさんのことも大事にしてるし。よく見てるし、よく見てようと意識してる。
なんつーか、この2人は性別だけじゃないところで、人間として仲がいいし上手く付き合ってるなと思うんですよ。恋だけじゃなくて愛があるというか、お互いに尊敬してるというか?
恋人になったらゴール、結婚したらゴール、そういう作品も多いけれど現実だとその後の人生も長く続くわけで。ケンカもするだろうし、一緒に暮らすなら収入を含めた生活設計を考えなきゃいけないし、美少女だって年を取ってしまう。
青春のキラキラした、勢いと性欲の恋愛は長続きするのか……? 恋心なんて永遠には続かない、その後に何が残るのか? 私はめんどくさいタイプの読者なんで不安になってしまうことが多数(笑)
でも、この作品の2人なら最後まで仲良くやっていけそうで読後に安心感がある。外見の良さだけで付き合ってるわけじゃないし、ケンカをしないんじゃなくケンカしても仲直りできる。夫が育児に非協力的で心の関係が壊れていく夫婦なんかもあるけど、きっと大丈夫。
この2人の関係いいですねぇ。恋愛もの中でもすごくいいと思います。
web漫画「うらみちお兄さん」について語ります! ~発想の勝利~
疲れた大人と、子ども! 体操のおにいさん!? 発想の勝利!
というわけで、今回はweb漫画「うらみちお兄さん」について語ります。
https://comic.pixiv.net/works/3421
教育番組「ママンとトゥギャザー」の体操のお兄さん、「表田裏道(おもたうらみち)」31歳。 爽やかだけど情緒不安定な“うらみちお兄さん”が垣間見せる大人の闇に、よい子のみんなはドン引き……!?
第3回 次にくるマンガ大賞webマンガ部第門1位、WEBマンガ総選挙 インディーズ部門第1位を獲得した大人気作! 確かに、面白い。最初読んだときに爆笑してしました。単行本もすぐに買っちゃいましたしね~。
人生に疲れた大人の闇×純真な子供たち、発想の勝利!
この作品の面白さ、それは一般的にはさわやかで明るいイメージの「体操のお兄さん」が病みまくってること! 大人の闇と、純真な子供たちの対比!
人生に疲れた大人、社会で生きる辛さをメインにしたブラックギャグ漫画自体は割と色々とあるんですよ。pixiv系でも「社畜ちゃん」とかが人気だし。むしろ、定番のギャグ・ジャンルになってて新鮮さは無くなってきてるかも。
じゃあ、この作品の個性はどこなのか? それは子供との対比ですよね。まだキラキラしてて元気な子供と病んでる大人を並べることで違いが引き立つ! 純粋な言葉が心をえぐる! 昔を思い出して虚しさが倍増! 発想の勝利!
「病んでる体操のお兄さん」、これを思いついた瞬間に作者さまは大勝利したと言えます。天才のアイディアでしょう。
でも、ちょっと突っ込みを入れるなら、こんなに「人生に疲れてる」アピールできる時点で甘いですよね。漫画だから仕方ないんだけど。
ここまでじゃなくても大人なら疲れてたり、病んでたりするのはある程度当たり前。みんなそうなんですよ。でも、それを押さえ込んで何でもない顔して生活してるわけで。自分の苦しみや悲しみを周囲にまき散らさない、それが大人のマナー。
うらみちお兄さんみたいに露骨に疲れてるアピールして、それでも周りから叩かれずに受け入れられるとか割といい状況じゃね? と思わなくもない。現実にこんな人がそばにいたら「は? 疲れてんのお前だけじゃないんだけど……?」ってなりそう。
もちろん、そういう作品なんだからこれでいいんですけどね。リアリティだけを追求しても。読者に大人の闇を見せてくれないとギャグ漫画になりませんから(笑)
裏だけじゃなく、表もシュールでカオスすぎる……!
しかし、作中の子ども番組「ママンとトゥギャザー」はシュールすぎじゃないでしょうか(笑) 裏の部分が放送され過ぎてるし、そもそも表の部分すらカオス……
うらみちお兄さんは子どもの前や放送中は完璧な笑顔……なのかと思えば、けっこう大人の闇モードになってるという。
放送事故じゃないか!? ディレクターはカットかけないの!? 「ママンとトゥギャザー」……作中世界ではどんな評判なんだろう(笑) 本当に子供向け番組なのか? 大人の向けじゃね?
そもそも子どもの好みもよく分からない……第4話に出てくる歌「傘持ってないときに限って雨降るのなんで」とか題名で笑うし、歌詞としても
使いどきのない傘は♪ 一日じゅう荷物になって♪ 何をするにも地味に不自由~♪ 不快♪
とか病みすぎてる(笑) これが子ども向けの歌とは。でも、人気の様子。作中世界の子ども自体が病んでるか? う~ん。
ここら辺のカオスさがギャグ漫画としての面白さをアップさせてますよね。楽屋の中だけ、裏側だけの大人の闇じゃリアルだけどインパクトに欠ける。放送中、さらにはそもそもの表すら闇がにじみ出るのが笑えるわけで。
大人の闇と、純真な子供たちの対比! 病んでる体操のお兄さん! 表面の「ママンとトゥギャザー」自体が謎!
作者である「久世岳」さまのセンスが全体を通して光りまくってる。すごい漫画だ。
web版を読んで気に入ったら単行本もぜひどうぞ。webでは見れない6~9話も面白い話ばかり。8話コンサート回の歌、「猫が何もない空間を見てる」とかも病みすぎてて笑う。
あと細かいところだけど、9話の猫の鳴き声が「ン゛な゛むむも゛あぅぅ」なの猫を飼ってた人間としては好感度高いです(笑) ニャーニャーじゃないのがリアルっぽくていい。猫の方から話しかけ来る時は割とこんな感じだよね。